「お願い」をチャンスに変える!信頼を積み上げる返し方

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頼られ上手な営業が実践している、関係づくりの極意

目次

お願いされた瞬間が、信頼づくりのチャンスになる

営業の現場では、毎日のように「お願い」や「依頼」が飛び交います。
「この資料、もう少し早めに出せますか?」
「来週の打ち合わせ、予定をずらせないですか?」
「ちょっと見積り、下げられませんか?」

こうしたお願いは、時に営業にとってプレッシャーになります。
「忙しいのに」「それは無理だろう」と、つい反射的に構えてしまうこともあるでしょう。

しかし、少し見方を変えると、「お願いされる」というのは信頼されているサインでもあります。
相手は、「この人なら話を聞いてくれる」「この人なら何とかしてくれそう」と感じている。
その瞬間をうまく活かすことができれば、お願いはただの依頼ではなく、信頼を深めるチャンスになります。

本記事では、「お願いされたときの返し方」をテーマに、
信頼を積み上げる3つのステップと、実践的な言葉の使い方を紹介します。
断らずに受け入れることが正解ではありません。
むしろ、相手との関係をより強固にするための断り方や受け方が大切なのです。

多くの営業がやりがちな「お願い対応」の落とし穴

営業に限らず、人からお願いをされるときの反応には、あるパターンがあります。
多くの人は、無意識に次の3つのうちどれかを選んでいます。

  1. とりあえず受けてしまう(いい人タイプ)
  2. 即座に断る(防御タイプ)
  3. 曖昧に答えて時間を稼ぐ(先延ばしタイプ)

それぞれにメリットはありますが、どれも「信頼を積み上げる」には不十分です。

「いい人タイプ」は短期的信頼で終わる

「わかりました!すぐ対応します!」と反応できる営業は、一見頼れる存在に見えます。
しかし、無理をして受け続けると、後で「やっぱり無理でした」となったり、
他の案件に支障が出て結果的に信頼を損なうリスクがあります。
ちゃんと考えて受ける必要があるのです。

「防御タイプ」は距離を生む

一方、「それは難しいですね」と即座に拒む営業は、相手からすると「冷たい」「協力的じゃない」と感じられがちです。
防御的な姿勢は、相手の期待を裏切る形になり、関係の温度を下げてしまうことが多いです。
もし、どうしても断る場合でも、一旦「検討します」とお伝えしてから改めて早めにお断るする、相手の気持ちになって誠実にお断りするなど、丁寧な対応が重要です。

「先延ばしタイプ」は不信を生む

「ちょっと検討します」「確認しておきます」と曖昧に返すのも、一時的には安全策ですが、
その後のフォローがないと、「あの人は逃げた」と見なされてしまいます。

では、どうすればいいのか。
ここで必要なのが、お願いを前向きな関係構築に変えるための返し方です。

信頼を積み上げる「お願いの返し方」3ステップ

営業がお願いされた瞬間に意識したいのは、
「どう受け答えするか」よりも、
「どう信頼を積み上げるか」という視点です。

お願い対応の基本は、次の3ステップで考えると効果的です。

【STEP1】まず、お願いの背景を聞く

多くの営業は、お願いを「やる・やらない」で判断してしまいます。
しかし、本当に重要なのは、なぜそのお願いをしているのかを知ることです。

たとえば、
「納期を早めてほしい」と言われたとき、
「なぜ早めたいのか」を確認せずに対応すると、誤解が生まれます。

「実は上司に急かされていて…」
「競合との比較資料を出す必要があるんです」
「お客様社内での決裁スケジュールが変わって…」

このように、背景を丁寧に聞くことで、相手の本当の困りごとが見えてきます
頼まれた内容ではなく、別の解決策を提案できる可能性もあるでしょう。
それを理解したうえで対応すれば、単なる作業対応ではなく、支援に変わるのです。

【STEP2】相手の立場を肯定しつつ、自分の状況を伝える

お願いをされたとき、断りたいときほど重要なのが、共感を先に伝えることです。

たとえば、「その依頼は難しいです」と即答するよりも、
「お気持ちはすごくわかります」「そういう状況なら早めたいですよね」と相手の意図を理解している姿勢を示すことで、拒否感が和らぎます

そのうえで、
「実は他の案件と重なっており、今のままだと精度を落としてしまいそうで…」
「〇日以降なら全力で対応できます」
自分の事情を誠実に伝える

この共感→理由説明の流れが、心理的な壁を大きく下げます
相手も、「この人はちゃんと話してくれる」と感じ、結果的に信頼が強化されるのです。

【STEP3】代替案で相手の目的を叶える

お願いを断るにしても、「できません」で終わらせないのが、信頼を積み上げる営業の特徴です。

「その納期は難しいですが、要点を先に共有することなら可能です」
「すぐにはできませんが、〇日までに中間版をお見せできます」
「今回は難しいですが、次回以降にこの仕組みを使えばスムーズにできます」

このように、相手の目的を満たす別の方法を提案することで、
「断られた」ではなく「協力してもらえた」という印象を残せます。

ここまでの3ステップ

1️⃣ 背景を聞く
2️⃣ 共感+説明
3️⃣ 代替案を出す

この流れを実践できる営業は、お願いの場面で「信頼を得る人」に変わります。

「お願い返し」が信頼を育てる理由

ではなぜ、お願いされたときの返し方が、信頼を積み上げることにつながるのでしょうか?
それは、人間の心理には「返報性の原理」が働くからです。

人は、「自分の話をきちんと聞いてくれた」「理解してくれた」と感じた相手に、
自然と好意や協力意識を持つようになります。

営業で言えば、
「断られたけど誠実だった」
「難しい状況でも、別の提案をしてくれた」
と感じてもらえれば、それが次の依頼や商談への布石になるのです。

つまり、「お願いへの返し方」は、取引ではなく関係を深める行為
短期的な成果よりも、長期的な信頼を築く武器になるということです。

実践事例 「お願い上手」と「お願い返し上手」の違い

ケース1 「納期を早めてほしい」と言われたとき

Aさん:「わかりました、急ぎます!」(→徹夜、精度低下)

Bさん:「背景を教えてもらえますか?なぜ急ぎに?」
 →「上司が早く見たいそうで」
 →「では要点版を先に出しましょう」

結果、Bさんのほうが早く信頼を得ることができます。

ケース2 「価格を下げられませんか?」と言われたとき

Aさん:「上に確認してみます」(→値下げ交渉ループ)

Bさん:「そう言いたくなるお気持ち、よくわかります。ただ、この価格でお約束している品質を守りたいんです」
 →「その代わりに納期短縮や追加サポートで貢献できるかもしれません」

結果、Bさんは価格を守りつつ、信頼が強化。

こうした差は、「お願いをどう返すか」の習慣の違いにあります。

「返し方」を磨くための3つの習慣

1. 「相手の意図を確認する」ことを口癖にする

「その背景を教えていただけますか?」を自然に使えるようにする。

2. 「断る前に共感」を意識する

「おっしゃること、すごくわかります」から始めるだけで印象が変わる。

3. 「できることから提案する」

「すぐには難しいですが、○○なら今できます」など、0か100かで考えない。

これらを日常の会話で実践することで、営業はお願い返し上手に進化していきます。
まずは常に意識して、自分の対応に落とし込んでいきましょう。

「お願い対応」があなたの営業力を磨く

営業の世界では、「お願いされる」ことも「お願いする」ことも日常です。
しかし、多くの人はそのやりとりを仕事の負担として受け止めています。

本当に成果を出す営業は、「お願い」を関係を深めるチャンスと捉えます。
お願いされたときこそ、誠実さ・思考力・人間力が問われる瞬間

その瞬間を丁寧に返すことで、相手は「この人とならまた話したい」と思ってくれます。
結果として、信頼が積み上がり、提案が通りやすくなる。

「お願い」をチャンスに変える人が、最終的には選ばれる。
あなたの次の「お願い対応」から、その信頼づくりを始めてみてください。

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