成功の秘訣は「テンション・リダクション効果」にあります。なぜなら、この効果は顧客との関係構築や成約率向上に大きな影響を与えるからです。この記事では、テンション・リダクション効果について詳しく解説し、あなたの営業力を飛躍的に向上させる方法をご紹介します。
テンション・リダクション効果とは？
テンション・リダクション効果は、人が緊張状態から解放され、注意力や思考力が低下している状態、いわゆる「緊張の糸が切れた状態」を狙って、こちらのお願いや提案をいつもより受け入れてもらいやすい状態を作り出す効果のことです。
具体的には、重要な事柄を決定するときや行動をするときに緊張し、その緊張感から解放されると（緊張が消滅すると）、人は注意力が散漫になって、無防備な状態になってしまうことを指しています。この現象は、高価な商品を購入した後に財布のひもが緩みやすく、安価な商品の提案が受け入れられやすい傾向にあると言われています。
テンション・リダクション効果の例
- ショッピング中にセールを見つけたり、クーポンが発行されたりすると、つい衝動買いをしてしまうことがあります。
これは、普段よりもお得に買い物できるという心理的な高揚状態によって、本来の予算を超えて購入してしまうというテンション・リダクション効果の表れです。 - 試験が終わって解放感に浸っている時に、ついお菓子を食べてしまったり、ゲームをして遊んでしまうことがあります。
これは、緊張状態から解放されたことで、ドーパミンなどの脳内物質が分泌され、快楽を感じやすくなるためです。
テンション・リダクション効果の活用法
テンション・リダクション効果は、マーケティングやセールスにおいて、顧客の購買意欲を高めるために有効活用することができます。
①対面販売での活用事例
本商品購入後にオプション追加を勧めるのも、テンション・リダクション効果を有効的に活用した方法になります。
例えばスマートフォンを顧客が購入した直後にオプションとして、同時購入できる安心保障サービスなどの追加サービスを勧めて契約してもらう方法です。「スマートフォンという高額商品を購入する」というミッションをクリアし、顧客が緊張から解放され、注意力が低下するタイミングを狙ってオプション商品を勧めることができれば、一緒に購入してもらえる可能性は高いです。
顧客に勧めるオプション選びの基準としては、2つの条件があります。
・顧客が買った商品と関連性が強く「一緒に買えば便利、お得」と思えるもの
・顧客が買った商品の本体価格よりも安価であるもの
判断力が低下している状態といっても、例えば20万円の買い物をしたところに、さらに10万円の商品を買うように勧めたら、さすがに「そんなに高いものはもう買えない」と顧客から断られてしまうでしょう。
一般的に「テンション・リダクション効果」は、2つの商品に強い関連性があり、価格差があるほど財布のひもは緩みます。
そのため、テンション・リダクション効果を活用してオプション購入を勧める場合には、安い商品と抱き合わせるようにし、本商品と強い関連性があるものから選びましょう。
②ECサイトの活用事例
ネットショッピングをした時、目当ての商品を買い物かごに入れたら「この商品を買ったユーザーはこちらの商品も購入しています」というような表示が出る経験はありませんか？
これもテンション・リダクション効果を活用して顧客の購買意欲を刺激する方法です。
この提案は顧客がはじめに購入した商品がそこまで高価なものでなく、関連がある商品でなくても効果があります。
「顧客が好きそうな特徴をもつ類似した分野の商品」を提案することで、「これもあったら使うかも」「目当ての商品しか調べていなかったけど、よく見たらこっちも良いかも」と思わせることができ、購買活動に繋げやすくなります。
同じ商品を購入した顧客は性格や嗜好面で他の商品に対する興味や関心も類似しているとされています。
ネットショップで売上を上げるためには、顧客の購入内容や購入頻度を統計、分析し、同時に提案すれば売上を上げることができるでしょう。
③その他の活用事例
他にもテンション・リダクション効果の具体的な活用例をまとめてご紹介します。
- 期間限定セールや割引クーポンを提供することで、お得感や希少価値を演出する。
- ゲームやクイズを取り入れることで、顧客の心をワクワクさせ、楽しい購買体験を提供する。
- ユーモアのある広告やメッセージで、顧客をリラックスさせる。
- 達成感や成功体験を与えられるような商品やサービスを提供する。
などが挙げられます。
テンション・リダクション効果の注意点
テンション・リダクション効果は、必ずしもポジティブな効果ばかりではありません。
- 衝動買いをしてしまい、後で後悔する可能性がある。
- 本来の予算よりも多くのお金を使ってしまう可能性がある。
- 冷静な判断ができず、不利な契約をしてしまう可能性がある。
などの注意点もあります。
そのため、テンション・リダクション効果をマーケティングやセールスに活用する際には、倫理的な観点にも配慮し、顧客にとって最善の選択を促すようにすることが重要です。
まとめ
テンション・リダクション効果は、営業成績を向上させるための重要な要素です。顧客とのコミュニケーションやプレゼンテーションにおいて、緊張後にリラックスさせるとテンション・リダクション効果で成約率を向上させることができます。メイン商品の成約後、リラックスしたところにクロスセルで顧客のニーズを満たすものをプラスアルファで提案すると追加購入につながる可能性が高いです。営業力を更に高めたい方は、ぜひこの効果を活用してみてください。
