営業の世界で成果を上げるには、時には新しいアプローチが必要です。そこで、あなたは「スノッブ効果」をご存知でしょうか？スノッブ効果は、営業において驚くほど有効な手法の一つです。営業成績を上げたいと考えているあなたに、この記事ではスノッブ効果の魅力について詳しく解説します。なぜなら、スノッブ効果こそが、営業力を向上させるための重要なカギだからです。
スノッブ効果の概要
スノッブ効果とは何か？
スノッブ効果は、アメリカの経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインによって提唱された、多くの人が持っているものに対して「人と同じものは嫌だ」と購買意欲が減少する心理を表します。 簡単に入手できる商品よりも、希少性や限定性が高い商品に魅力を感じる心理です。他人とは違うもの、特別なものを持ちたいという欲求は、他者との差別化を求める心理から起こるとされます。
スノッブ効果の営業への応用
営業において、顧客の購買意欲を高めるためには、製品やサービスを高いステータスや価値を持つものとしてアピールすることが重要です。スノッブ効果を営業戦略に取り入れることで、顧客の意思決定に影響を与えることが可能となります。顧客が自社の製品やサービスを他よりも高い希少性や限定性があると認識し、購入したいという欲求が高まることが期待されます。
スノッブ効果に必要なこと
ターゲット顧客の理解
スノッブ効果を活用するためには、ターゲット顧客の好みやステータスに関する情報を十分に把握することが重要です。顧客が何に価値を見出し、何を求めているのかを理解することで、効果的な営業戦略を展開することができます。たとえば、第三者の話をしたときに前のめりに乗ってこない、逆に「限定」「オリジナル」という言葉に惹かれる傾向にあるなどの兆候が見えたら、そのお客様には「あなただけ」「特別な」「オリジナルプラン」を提案すると契約につながりやすくなります。
ブランド戦略の構築
スノッブ効果を活用するためには、ブランド戦略の構築が重要です。自社の製品やサービスを希少性や限定性をを持つものとして位置付けることで、顧客の購買意欲を高めることができます。ブランドイメージの醸成やプレミア感の演出を通じて、スノッブ効果を最大限に活用しましょう。
スノッブ効果の活用方法
希少性や限定性を提示する
スノッブ効果を活用する場合、希少性や限定性を提示する方法が利用されます。
スノッブ効果は「他の人と違うものが欲しい」「他の人が持っていないものが欲しい」と思う心理作用であるため、「限定」といった表現を利用するのが有効です。
希少性や限定性を利用したマーケティング方法には、下記の2つが例にあげられます。
地域限定
地域限定の商品はその土地でしか手に入らないため、スノッブ効果が有効に働きます。
別の地域では手に入らないので、「他の人が持っていないものを所有できている」という心理を抱かせられます。
お土産屋さんに並ぶ地域限定のお菓子、店舗限定の商品などがイメージしやすいと思います。
数量・期間限定
数量・期間限定もスノッブ効果が有効に働きます。
買いたい人すべてが手に入れられるわけではないため、所有することで「他の人と差別化したい」という欲求が満たされます。
「先着10名様まで」「クリスマス限定メニュー」といった表現を使い、顧客の購買を促します。
オリジナリティを持たせる
商品にオリジナリティを持たせる方法もあります。
オリジナリティを持たせることで自分だけの商品やサービスを所有できるため、「他の人と違うものを持ちたい」という心理を満たせるでしょう。
そこで有効的な方法を2つご紹介します。
カスタムメイド
カスタムメイドは素材や部品などがそろっており、その中から自分が選びたいものを選択する販売方法です。
カスタムメイドにより「自分だけのデザイン」が実現するため、スノッブ効果が有効に働きます。
オーダーメイド
オーダーメイドは洋服やバッグなど、自分の作ってほしい生地や形をオーダーして作ってもらうことです。
「世界に1つだけのもの」を手にできるという特別感を抱けるため、スノッブ効果による購買促進が期待できます。
カスタムメイドは他の人と被る可能性がありますが、オーダーメイドはすべて自分で選ぶことが基本になるため、より特別感が増すでしょう。
グレードを設定する
商品やサービスのラインナップをそろえ、それぞれにグレードを設定するのも有効な方法です。
グレードの設定により、より高額な商品の希少性が高まります。グレードの設定で有効な方法をご紹介します。
サブスクリプションサービス
サブスクリプションサービスは多くの場合、使える機能によってグレードが設定されています。
高額になるほど便利・快適に使えるようにプランが設定されているのが一般的です。
サブスクリプションサービスでは「高いものほど特別感が増し特別感や優越感を得られる」という心理を利用しています。
BtoCであれば動画配信サービス、BtoBであればSFA（営業支援ツール）やMA（マーケティング活動の自動化ツール）などが例にあげられます。
ランクの設定
ランク付けもスノッブ効果が有効に働く手法の一つです。例えばクレジットカードのランク付けです。
ハイグレードのカードは審査も厳しくなり簡単には手に入れられないため、希少価値も高くなります。
特に、ブラックカードやプラチナカードは選ばれた人だけが所有できるカードともいわれ、所有によりステータスを感じられます。
成功事例とその分析
企業Aの成功事例
企業Aは、スノッブ効果を活用したブランド戦略を展開しました。限定的な販売チャネルを通じて、自社の製品を高いステータスを持つものとして位置付けました。その結果、顧客の購買意欲が高まり、営業成績の向上につながりました。顧客が自社の製品を手に入れることで、自己のステータスや価値を高められるという感覚を得られるようになりました。
スノッブ効果の注意点
スノッブ効果を利用する場合は、景品表示法（景品法）に注意する必要があります。
景品表示法とは、商品やサービスの品質などについて過大に表現したり嘘をついたりすることを規制するための法律です。
商品やサービスの内容とあまりにも違う・大げさに表現すると景品表示法違反になる恐れがあります。
例えば、「数量限定」と書かれているのにもかかわらず、その数を大幅に超えて販売してしまった場合、違反にあたります。
顧客に提案する際は注意しましょう。
まとめ
スノッブ効果は、営業において非常に有効な手法の一つです。限定性や希少性を持つ製品やサービスを提供することで、顧客の興味や購買意欲を高めることができます。スノッブ効果を活用する際には、ターゲット顧客の理解や効果的なコミュニケーション戦略の構築が重要です。これらのポイントを押さえれば、スノッブ効果を活用して営業成績を飛躍的に向上させることができるでしょう。
