「マジカルナンバー」とは、心理学者ジョージ・ミラーが提唱した概念で、人間が一度に記憶できる情報の数は7±2(5~9個)であるとされています。
この心理学的な知見を活用することで、営業活動の効率化や成果向上につなげることが可能です。
本記事では、マジカルナンバーをどのように営業プロセスに取り入れるかを具体的に解説します。
マジカルナンバーとは何か?
マジカルナンバーの概要
マジカルナンバーとは、人間の「短期記憶」に関しての原則を示すキーワードのことです。
そのような短期記憶の原則的な数値として、ジョージ・ミラー教授が1952年に発表した論文によると人間の短期記憶の容量は7個前後(7±2個)まで覚えられると書かれています。
しかしその7の基準は日常的な物事に限定されます。
その発表以降もマジカルナンバーについては研究が進められ、2001年にはネルソン・コーワン教授が「4±1」という数値を発表しています。
これらの数値はどちらが正しいのかという観点では、
- 日常的に触れる物事についての短期記憶は「7±2」
- 初めて触れるような物事は「4±1」
と考えておくと良いかと思いますが、これには個人差があるかと思います。
特に印象が残るようにする場合は「3」にまとめるようにします。
マジカルナンバーを営業時に意識する
伝えたいことを3~5つに絞る
営業提案の場面で顧客に伝えたいことはたくさんあるかと思います。
メリット、おすすめの理由、ベネフィット、いろいろ言いたいことはあると思いますが、顧客に購入してもらうには顧客に覚えてもらわないと話が進みません。
そのため、絶対に覚えてほしいものは3つに絞ることが必要です。
いっぺんにいろいろな情報を言うのではなく、伝えたいことは3~5つにまとめることが重要です。
マジカルナンバー3の活用
マジカルナンバー3は、特にシンプルさを重視したコミュニケーションや意思決定のフレームワークとして有効です。
- 提案内容を3つに
提案を3つのポイントに絞り、顧客にとってわかりやすく印象的な形で伝える - 選択肢を3つ提示
顧客に対して複数の選択肢を提案する際は、3つに絞ることで決断をスムーズにする - 3段階のストーリー構成
問題提起、解決策の提示、行動喚起の3段階で構成することで、顧客にとって理解しやすい流れを作る
マジカルナンバーを活用した事例
プレゼンテーション
プレゼンテーションの場面では、マジカルナンバー3がよく活用されています。
3つは覚えやすく説明しやすい数字で、説明の受け手にとって納得感があるからです。
マジカルナンバー4±1は、多くて5つ、少なくて3つのチャンクなら記憶できるという意味なので、個人差を考慮してマジカルナンバーを3とすれば、多くの人が理解しやすいと考えられます。
スティーブジョブズはたくさんの機能があるiPhoneについて、
①タッチ操作のiPod
②携帯電話
③ネット通信機器
の3つの機能がついた1つのデバイスだと説明しています。
もしこれが、「電話もメールできて、写真が撮れて、ネットにも接続できて地図も見られるうえ、音楽も聴けて、タッチ操作で使いやすい、素晴らしい器械です」と紹介されていたら、iPhoneにたくさんの機能がついているということはわかっても、実際何に使えるのかは印象に残りづらかったでしょう。
このように多くのプレゼンテーションのシーンでは、マジカルナンバー3が活躍しています。
プレゼンテーションの内容は、ポイントを3つにまとめて伝えたり、3つの要点で資料を作成すると、相手に理解してもらいやすくなります。
スマートフォンのアプリ画面
スマートフォンのアプリにも、マジカルナンバーはよく使われています。
アプリ内に設置されているメニューの数は、4つか5つが一般的です。
マジカルナンバーをもとに設計されたアプリは、直感的に操作しやすく、選ぶ負担が軽減されています。
例えば
Instagramのアプリを開くと、
画面の下の方には左からホーム/検索/新規投稿/リール/アカウントという順番でメニューが並んでいます。
そして、その数は5つです。
これはLINEやPayPay、メルカリ、You tubeなどどのアプリも同じで、メニューの数はだいたい4~5つとなっています。
選択肢が多すぎるとユーザーがどれを選んでいいのか迷ってしまうため、ある程度ユーザーが選べる数にメニュー数を絞り、アプリを使いやすくするよう工夫されているのです。
ホームページのメニュー画面
ホームページには多くの情報が記載されています。
情報が多すぎると訪問者が気になっている情報がなかなか見つけられなかったり、伝えたい大切な情報を見落とされてしまいます。
ホームページのメニュー画面
メニュータブの数をマジカルナンバーの数に設定して見やすさを向上させましょう!
実際に多くのホームページではその情報が整理され、そのジャンルを一覧で見られるようなメニュー画面が作成されています。
例えば
Yahoo!ニュースは、国内/地域/国際/経済/IT/科学/エンタメ/スポーツというように、ニュースのジャンルが8つに分かれています。
ジャンル分けされていて、自分が気になるニュースを選びやすくなっているのです。
このようにメニュー画面ではマジカルナンバーを活用して、情報を適切な数にジャンルを分けると、ホームページの使いやすさと見やすさを向上させることができます。
まとめ
マジカルナンバーを理解し、活用することで、顧客に提案した内容を理解してもらいやすくなります。
すべては提案内容を理解してもらうことから始まります。
また、マジカルナンバーは営業の場面だけでなく、マーケティングや店舗のメニュー、ホームページなど幅広い分野で活用されています。
マジカルナンバーは、情報過多の現代において、記憶と集中を最適化するための強力なツールです。
この概念を営業活動に取り入れることで、顧客とのコミュニケーションの質を高め、効率的に成果を上げることができます。
さらに、マジカルナンバー3を取り入れることで、よりシンプルでわかりやすい提案が可能になります。
今日からぜひ、マジカルナンバーを活用してみてください!