はじめに
「この商談は絶対に決めたい」
「今月の数字はこのプレゼンにかかっている」
営業の現場には、ここ一番の勝負どころがあります。大口顧客との商談、コンペ形式のプレゼン、上司が同席する重要案件…。しかし、そんな場面に限って頭が真っ白になったり、普段ならできることができなくなったりするものです。
トップセールスと普通の営業マンの違いは、実力の差だけではありません。プレッシャーのかかる場面で実力を発揮できるかどうかなのです。
今回は、営業マンが「ここ一番」で力を出し切るための心の整え方を解説します。
なぜ本番で力を発揮できないのか?
プレッシャーに弱い人は「緊張してはいけない」と考えますが、それが逆効果になります。実際の原因は以下の3つに整理できます。
なお、プレッシャーは何かチャレンジしているときには必ずあるものです。
プレッシャーを感じていることを認めて、そこからどうするかが重要なのです。
プレッシャーを力に変える3つの方法
自分だけの本番ルーティン例
- 商談前に3回深呼吸する
- 自分に「大丈夫、準備はしてきた」と声をかける
- 会場に入る前に背筋を伸ばす
こうしたルーティンは「いつも通りの自分」を呼び起こしてくれます。
これは、プロのスポーツ選手なども行っている、非常に効果的な方法です。
具体例:Fさんのケース
入社7年目のFさんは、大口顧客との初めてのコンペで緊張のあまり頭が真っ白になり、用意した提案の半分も話せませんでした。
そこでFさんは「本番ルーティン」を取り入れることにしました。
- 商談前に必ず資料の冒頭を声に出して読む
- 深呼吸を3回してから会場に入る
- 「相手に価値を届けることだけに集中する」と紙に書いて見直す
この習慣を続けた結果、2か月後の別案件では落ち着いて話すことができ、無事契約を獲得。「緊張はなくせないが、整えられる」という実感を得たのです。
営業マンができる「心の整え習慣」
- 成功体験のイメージトレーニング
前日に「商談がうまくいくシーン」を具体的に思い描く。脳はイメージを実体験のように処理するため、安心感が増す。 - 「失敗してもいいリスト」をつくる
「言い間違える」「答えを持ち帰る」など、失敗しても致命的でないことをリスト化。プレッシャーが軽くなる。 - 「対応リスト」をつくる
わからない質問をされたら、「担当部署が違うので確認して回答します」など対応策リストをつくると安心します。 - 身体の緊張を解放するストレッチ
肩回しや深呼吸で、物理的に緊張をほぐす。体が楽になると心も落ち着く。 - 始まりの言葉を固定する
「本日はお時間いただきありがとうございます」と必ず同じフレーズで始める。序盤の安定が自信につながる。 - 終了後の振り返りを習慣化
「うまくいった点」「改善点」を簡単に記録。本番を経験値として蓄積できる。
まとめ
プレッシャーを感じるのは「挑戦している証」です。大事なのは緊張を消すことではなく、緊張と共に実力を発揮する方法を持つこと。
- 緊張を「準備完了のサイン」と捉える
- コントロールできる部分に集中する
- ルーティンで心を整える
この3つを実践すれば、勝負どころでも普段通り、いやそれ以上のパフォーマンスを発揮できるようになります。
営業マンとして大きな成果をつかむために、今日から「心を整える習慣」を取り入れてみてください。