なぜ「行事営業」が逆効果になることがあるのか
年末年始、バレンタイン、新年度、夏休み、決算期。
営業の世界では、これらの行事や節目が
「アプローチのチャンス」として語られることがよくあります。
しかし、こんな経験はないでしょうか。
- 行事に合わせて連絡したのに、反応が薄い
- 毎回同じような挨拶になってしまう
- 「またこの時期か」と思われていそう
実は、行事を「営業イベント」として扱うほど、関係が浅くなることがあります。
一方で、
行事をほとんど営業に使っていないのに、
長く選ばれ続けている営業も確実に存在します。
その違いは、
「行事を使うか・使わないか」ではなく、
行事との向き合い方にあります。
この記事では、
なぜ行事を営業イベントにしない営業ほど、
長く付き合える存在になるのか。
その共通点を紐解いていきます。
「行事=仕掛け時」と考えた瞬間、営業色は濃くなる
行事を営業に活かそうとすると、
多くの人が無意識にこう考えます。
- 今なら連絡しやすい
- 話題にしやすい
- 提案につなげやすい
この思考自体は、間違いではありません。
ただし、相手側の視点に立つとどうでしょうか。
- 同じ時期に、同じような連絡が来る
- 行事の話題から、結局仕事の話になる
- 「この人も、このタイミングか」と感じる
行事は便利な反面、
営業の動きが一斉に重なる時期でもあります。
だからこそ、
行事を「仕掛け」として使うほど、
埋もれやすくなるのです。
長く選ばれる営業は「行事を理由にしない」
成果を出し続けている営業を見ていると、
行事に対するスタンスが少し違います。
- 行事だから動く、のではない
- 行事を「きっかけ」にしない
- 行事があっても、スタンスは変えない
彼らにとって行事は、
主役ではなく背景です。
- 年末だから売ろう
- 新年度だから攻めよう
ではなく、
「相手の状況はどうか」
「今、関わる意味があるか」
を常に基準にしています。
そして、そんな営業にとって、
行事は「営業のきっかけ」ではなく、「関係性を深めるきっかけ」
なのです。
だからこそ、
行事があってもなくても、
関係性がブレません。
行事を営業イベントにすると起きる3つのズレ
① 相手の温度感とズレる
行事の時期は、
相手も忙しかったり、気持ちが分散しています。
- 休み前で余裕がない
- 行事対応で手一杯
- 判断どころではない
そのタイミングで
「今がチャンスです」と来られると、
ズレを感じやすくなります。
営業をするのではなく、一緒に行事を楽しむ気持ちで接しましょう。
② 関係が「点」で終わる
行事に合わせた連絡は、
どうしても単発になりがちです。
- 年末の挨拶
- 新年度の挨拶
- 夏前の一言
これ自体は悪くありませんが、
行事ごとにしか関わらない営業は、
関係が線になりません。
行事は一つのきっかけで、そこから関係性の深めるタイミングなのです。
③ 営業の意図が透けて見える
「この行事、何か売る気だな」
相手がそう感じた瞬間、
警戒心が生まれます。
行事は本来、
相手のためのものです。
そこに営業の意図が乗ると、
一気に顧客の心が閉じてしまうことにもなりかねません。
行事を使わない営業が、実は行事を一番活かしている
矛盾しているようですが、
行事を営業イベントにしない営業ほど、
結果的に行事を上手に活かしています。
その理由はシンプルです。
- 行事を「売る理由」にしない
- 行事を「関係確認」に使う
- 行事を「気遣いの背景」に留める
例えば、
「年末でお忙しいですよね」
「新年度で慌ただしい時期ですよね」
ここで終わります。
次の話をしないのです。
この余白があるから、
相手は「この人は違う」と感じます。
長く付き合える営業の共通点① 行事でも態度が変わらない
短期志向の営業ほど、
行事が近づくと動きが変わります。
- 急に連絡が増える
- 提案が強くなる
- クロージング色が濃くなる
一方、長く選ばれる営業は、
- 行事前でも平常運転
- テンションも距離感も変わらない
- いつも通りの関わり方
この一貫性が、
安心感につながります。
共通点② 行事を「相手の事情」として扱う
行事を営業イベントにしない営業は、
行事を自分側の都合で使いません。
- 売上を作るため
- きっかけが欲しいから
ではなく、
- 忙しさ
- 心理状態
- 判断しづらさ
といった、
相手側の事情を重要視して対応します。
だからこそ、
「今は動かないほうがよさそう」
「この時期は控えたほうがいい」
という判断が自然にできます。
共通点③ 行事が終わった後を大事にする
意外と差が出るのが、
行事が終わった後です。
多くの営業は、
- 行事前
- 行事中
に集中します。
しかし、長く付き合える営業は、
- 行事が終わった直後
- 落ち着いたタイミング
に、さりげなく関わります。
行事後のさりげない気遣いは、顧客にとってうれしいものです。
例
- 「少し落ち着きましたか?」
- 「この時期、疲れ出ますよね。体調は大丈夫でしょうか?」
ここには、
競合がほとんどいません。
ほかの営業がしていない行動にこそ、価値があるのです。
行事は「関係を試す場」ではなく「姿勢が出る場」
行事は、
関係を一気に深めるものではありません。
むしろ、
- どう関わるか
- どう距離を保つか
- どう欲を抑えるか
営業の姿勢が、
静かに見られている場です。
行事を営業イベントにしない営業は、
ここで無理をしません。
その姿勢こそが、
「この人とは長く付き合えそうだ」
という評価につながります。
行事は使わないから、効いてくる
行事は、
使おうとした瞬間に、
営業色が濃くなります。
一方で、
- 売らない
- 仕掛けない
- 期待しない
このスタンスで関わると、
行事は自然と味方になります。
重要なのは顧客にとって心地よい対応です。
長く選ばれる営業は、
行事を「イベント」にしません。
行事を背景に、
いつも通り、相手を見る。
それだけです。
だからこそ、
関係は途切れず、
最後まで残ります。
深い部分で顧客とつながる営業スタイルを構築していきましょう。

