はじめに
営業マンの多くが抱える悩みの一つに「モチベーションが続かない」というものがあります。
このように気持ちの波に左右されてしまうと、行動量が安定せず、成果も不安定になります。
一方でトップセールスマンは「常に高いモチベーションを維持している」のではなく、自分でモチベーションをつくる仕組みを持っているのです。
今回は、営業マンが日常で実践できる「モチベーションを自分で生み出す習慣術」について解説していきます。
なぜモチベーションが続かないのか?
営業の現場で気持ちが揺らぐ理由は大きく分けて3つあります。
① 外的要因に依存しているから
上司の評価やインセンティブなど、外から与えられる要素だけで動いていると、その時々でやる気が大きく上下してしまいます。
② 成果が出るまでのタイムラグが長いから
営業は努力してもすぐに結果に結びつかない仕事です。「頑張っているのに成果が見えない」と感じると、やる気が失われやすくなります。
③ ネガティブな感情に引きずられるから
断られたり、クレームを受けたりすると、その出来事が心に残り「今日はもういいや」とモチベーションを奪ってしまいます。
こうした要因を放置すると、やる気が続かず、行動が止まり、成果も下がるという悪循環に陥ってしまいます。
もしあなたがこの状態になっているとしたら、改善していくことが必要です。
営業結果を出そうとしても、モチベーションが下がっていたら、行動には移せず結果は出ません。
行動より、モチベーションの向上。
モチベーションが変わるから行動が変わるのです。
モチベーションを自分でつくる3つの考え方
① 外的動機づけではなく「内的動機づけ」を意識する
- 「契約を取ればインセンティブがもらえる」ではなく、
- 「この商品を通じてお客様に貢献できる」「自分が成長しているのを実感できる」
といった内面的な満足感にフォーカスすることが、安定したモチベーションの源泉になります。
② 大きな目標を小さく分割して達成感を得る
「今月10件契約」といった大目標だけでは遠すぎて気持ちが続きません。
「今日5件訪問」「1件は深いヒアリングをする」など、小さなゴールを設定して達成感を積み重ねることが大切です。
③ 習慣化でやる気に頼らない仕組みをつくる
モチベーションが高い日も低い日も、同じ行動を続けられるのが「習慣」の強みです。
歯磨きのように当たり前に行動できる状態をつくれば、やる気の波に左右されなくなります。
具体例:Eさんのケース
入社3年目のEさんは、営業成績が波打つタイプでした。契約が取れるとやる気が爆発し、数日で大量のアポを取るのですが、断られると気分が落ち込み、数日間まったく動けなくなるのです。
そんなEさんが変わったきっかけは、「毎日3つの小目標」をノートに書き出す習慣でした。
- 今日必ず3件は新規電話をかける
- 1件は質問リストを使って深掘りする
- 商談後に必ず「うまくいった点」を1つ記録する
これを続けた結果、「契約の有無」に左右されずに達成感を得られるようになり、自然とモチベーションが安定していきました。最終的に、3か月後にはチームでトップの成果を上げるようになったのです。
営業マンが実践できる「モチベーション習慣術」
- 朝のルーティンを決める
出社前に散歩する、好きな音楽を聴く、読書をするなど、自分を切り替える習慣を持ちましょう。 - 小さな目標を毎日書き出す
「今日やることリスト」を3つ書く。それを終えることで1日の満足感が得られます。 - 行動を見える化する
訪問件数や電話本数をホワイトボードやアプリで記録。グラフで進捗が見えると自然とやる気が湧きます。 - 仲間と成果を共有する
一人で頑張ると孤独になりがちですが、チームで「今日の成功体験」をシェアするとポジティブな雰囲気を維持できます。 - 自分を褒める習慣をつくる
「契約できなかった」ではなく「よく10件も訪問した」「良い質問ができた」と、必ず1つ自分を肯定する習慣を持ちましょう。
このように、自分自身でモチベーションを維持できる仕組みを意図的に日常に入れていきましょう。
「モチベーションを維持する!」と決めることほど意味のないものはありません。
モチベーションは下がるものだから、維持するための仕組みをつくることが大事なのです。
まとめ
営業マンにとってモチベーションは、自然に湧いてくるものではなく、自分でつくり出すものです。
- 内的動機づけを意識する
- 大きな目標を小さく分割する
- 習慣化でやる気に左右されない仕組みをつくる
これらを実践すれば、気持ちの波に振り回されずに安定した行動を積み重ねることができます。
モチベーションを自分で生み出せるようになれば、成果はもちろん、営業という仕事そのものがもっと楽しく、長く続けられるものになるでしょう。