買わない理由を先に潰す!不安解消のコミュニケーション術

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はじめに

「ご提案はいいんですが、少し考えさせてください」
「今すぐじゃなくても大丈夫なので…」
営業現場でこんな言葉を言われたこと、ありませんか?

これらの言葉は一見すると「検討する意思あり」のように聞こえますが、多くの場合、お客様の中にある買わない理由が解消されていないサインです。

提案の中身が良くても、資料が完璧でも、「不安」や「納得できない点」がひとつでも残っていれば、人は簡単に決断しません。
本記事では、そんな「買わない理由」を営業の会話の中で先回りして潰していくための、不安解消コミュニケーション術を解説します。

なぜ人は「買わない理由」を表に出さないのか?

そもそも、なぜお客様は買わない理由をはっきり言わないのでしょうか?

その背景には、次のような心理があります。

  • 営業に対してネガティブなことを言いたくない(気まずさ)
  • 断る理由が整理できていない(モヤモヤ)
  • 本音を話すほど関係性ができていない(信頼不足)
  • そもそも担当の営業のことを好きじゃない(言えない)

つまり、「買わない理由」は存在しているのに、言語化されていない or 表に出ていないというのが実情なのです。
だからこそ営業側は、表に出ていない不安の芽を見つけ出し、先に潰していく必要があるのです。

クロージング前に潰すべき「買わない理由」トップ5

営業現場でよくある「買わない理由」は、主に以下の5つに分類できます。

買わない理由具体例
① 価格が高い「他社より高い」「予算オーバー」
② 効果に確信がない「本当に効果が出るのか不安」「成果が見えない」
③ 導入や運用が不安「社内の手間が多そう」「現場が回るか心配」
④ 上司の説得が難しい「自分では決められない」「稟議が通るか微妙」
⑤ 営業に対する不信感「この人に任せて大丈夫か?」「押しが強い…」

お客様が言わないからといって、これらの不安がないわけではありません。
むしろ、言ってこないからこそ営業側が積極的に「先回りして提示・解消」していくことで、信頼と安心を勝ち取ることができるのです。

これは、顧客にクロージングする前に買わない理由となる要素を消すことが重要です。
クロージングまでの会話から、要素を上手にヒアリングして消していきましょう。

不安を引き出す!魔法の問いかけ3選

お客様の不安を引き出すには、直接的な質問ではなく、考えるきっかけを与える問いかけが効果的です。

①「気になる点って他にありますか?」

表面上は納得しているようでも、本当は何かが引っかかっていることも多いもの。
そんなときに、ふんわりと投げる質問が効果的です。

「今回のご提案、前向きに検討いただけそうでしょうか?
逆に、気になる点やちょっと引っかかるところがあれば遠慮なく仰ってください」

ポイントは、「不安はある前提」で自然に聞くこと。
話しやすくなるように、声音は柔らかく、笑顔で聞きましょう。
お客様も安心して本音を話しやすくなります。

②「ご提案を通す上で、どんな壁がありそうですか?」

社内調整や決裁の壁を感じている顧客に効果的です。

「社内稟議に通す際に、ひっかりそうな部分はありそうでしょうか?」

あなたの事情も理解していますというスタンスを見せることで、相手も「この人は味方だ」と感じてくれます。
担当が契約を望んでいた場合、この一言を伝えることで、一緒に契約に向けて進む仲間になるのです。

社内調整や決済における壁となる部分に寄り添って、一緒に解決していきましょう。

③「過去にこういう話で進まなかったことってありますか?」

過去の失敗や経験を聞くことで、見えない地雷を察知することができます。

「同じようなご提案って、過去に検討されたことありますか?
その時、何か進まなかった理由ってありましたか?」

過去の背景を聞き出すことで、何を不安に感じる傾向があるのかが見えてきます。
以前進まなかった理由をクリアできないと、契約に繋がることはありません。
提案を進めるうえで重要なヒントとなるので、この質問から営業戦略を練っていきましょう。

不安を潰す!営業トーク実例3選

では、不安を引き出した後はどう対応するか?
以下に、よくある不安とそれに対応する営業トークの実例を紹介します。

価格への不安

お客様:「ちょっと予算オーバーですね…」
営業:「正直、他社さんより初期費用は高いかもしれません。ただ、〇ヶ月で回収できたという事例もありますし、実際に使っていただいた企業では、平均〇%のコスト削減につながっています。」

不安に共感しつつ、長期的視点での価値にすり替えるのがコツです。

効果への不安

お客様:「本当に成果出るのか不安ですね」
営業:「確かに、導入前はそうおっしゃる方がほとんどです。ですが、導入企業の9割が2ヶ月以内に〇〇の変化を感じています。よろしければ、その具体的なデータもご紹介しますね。」

他社の声や数字を安心材料として提示することで納得感を高めます。

社内稟議の不安

お客様:「うちの上司がこういうの通しづらくて…」
営業:「その点も想定して、上司の方への説明用の簡易資料をお作りしますね。もしお時間あれば、上司の方とも一緒に打ち合わせの機会をいただければ、私の方から直接説明することも可能です。」

お客様が自分一人で戦わなくていいと感じられる対応を

不安を潰す=信頼をつくる

多くの営業マンは、「良いところを伝える」ことばかりに集中してしまいます。
でも、お客様の立場になれば、「良い話」よりも「不安のない話」の方が心に響きます。

不安を放置したまま話を進めると、最後のクロージングで一気に空気が冷めます。
逆に、不安を丁寧にひとつずつ潰していけば、クロージングのときには「じゃあ、お願いしようかな」という自然な流れが生まれます。

営業の基本「お客様の立場になって考える
どうしたら、顧客が信頼してくれるか?
これを考えて顧客とのコミュニケーションをとっていきましょう。

まとめ:不安は先回りして潰す!

営業の仕事とは、「説得」ではなく「納得」をつくること。
そのために必要なのが、買わない理由を先回りして潰しておく安心づくりの会話です。

最後に、今日からすぐ使える3つのアクションをまとめます。

  1. 不安を前提とした問いかけを習慣にする
     (例:「気になる点ありますか?」)
  2. 不安を聞き出したら、事例と数字で対応する
     (感情だけでなく論理もセットで)
  3. お客様の社内事情もサポートする姿勢を見せる
     (自分ごとで一緒に考える)

買わない理由を言わせないのではなく、言ってもらえる関係をつくるのが営業の真の力です。
この3つのアクションをしたときに、顧客が話してくれるかどうかは、信頼関係を構築できているかがカギとなります。

信頼関係を構築して、このアクションをすることで、あなたのクロージング力を一段上に引き上げてくれるはずです。

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