なぜ、あの人は自然と信頼されるのか?
同じ商材、同じ価格、同じ資料。にもかかわらず、「あの営業マンには安心して任せられる」と言われ、次々と契約を決めていく人がいます。
その違いを生むのは「人間的な信頼感」です。
多くの営業マンは、トークスキルや資料の完成度に目を向けがちですが、実はお客様が最も重視しているのは、
「この人は信頼できるかどうか」。
では、信頼される営業と、そうでない営業。その差はどこにあるのでしょうか?
答えはシンプルです。
それが誠実力と共感力。
本記事では、この2つの力が営業にどれほど重要かを解説し、信頼される人に近づくための具体的なヒントをお届けします。
営業に必要な「人としての信頼感」とは
現代の営業現場では、単にモノを売るだけでは成果が出にくくなっています。
商品情報はネットで簡単に調べられ、比較される時代。
そんな中で、最終的にお客様が選ぶのは、「誰から買うか」です。
つまり、営業における最大の武器は、
人としての信頼。
そして、その信頼は短時間で勝ち取るものではなく、日々のやりとりの中で少しずつ積み重ねられていきます。
では、その信頼を支える2つの土台となる要素が、誠実力と共感力なのです。
誠実力とは?:言葉と行動を一致させる力
誠実力とは、「嘘をつかない」といったわかりやすいものだけではありません。
それ以上に大切なのが、言葉と行動が一致しているかどうかという一貫性です。
たとえば、
- 「明日中に資料を送ります」と言って送らない
- 「〇〇の件、確認してご連絡します」と言ったのに音沙汰なし
- 営業中は低姿勢なのに、契約後は対応が雑になる
- 提案を断った途端、急に態度が冷たくなる
こういった行動は、顧客の信頼を一瞬で失います。
逆に、特別なことをしなくても、
「言ったことを守る」「約束を忘れない」「ごまかさない」
それだけで、この人は誠実だという評価に変わるのです。
誠実力を高める3つのポイント
- 小さな約束を守ることを習慣にする
→「〇時に電話します」「送ります」と言ったら、必ず実行。 - 言いにくいことも、きちんと伝える
→メリットだけでなく、リスクも率直に話す姿勢が信頼に。 - 自分の都合ではなく、相手軸で行動する
→「自分の数字」ではなく、「お客様の利益」を優先する判断を。 - 嘘をつかない
→自分の都合のよくなるように嘘をつかずに、顧客と向き合う姿勢を持つ
共感力とは?:相手の立場に立って感じ、応える力
営業は、「論理」よりも「感情」で動く場面が圧倒的に多い仕事です。
共感力とは、単に「うんうん」とうなずくことではなく、
相手の背景や状況、感情を受け止めたうえで、寄り添った対応ができる力です。
共感力がある営業は、お客様からこんな風に思われます:
- 「この人、自分のことをちゃんと理解してくれている」
- 「話しやすくて、相談できる」
- 「気持ちをわかってくれて安心する」
それだけで、信頼関係は一気に近づきます。
「顧客の立場に立って考える」だけでなく、顧客に伝わるまでがセットです。
共感力を高める3つのポイント
- 相手の背景や文脈を理解する意識を持つ
→「なぜその発言をしたのか」「何に困っているのか」に興味を持つ。 - 反応を正解で返そうとしない
→アドバイスよりも「そうだったんですね」と共感を先に伝える。 - 自分の枠をいったん外す
→「普通こうでしょ」ではなく、「この人にとってはどうか?」で考える。
誠実力×共感力が揃うと、営業は自然に売れる
誠実力だけが高くても、事務的で冷たい印象になる。
共感力だけが高くても、親しみはあっても頼りない人に映る。
でも、この2つが掛け合わさると…
「この人は私のことをちゃんと考えてくれている」
「ちゃんとやってくれると信じられる」
という、最強の信頼感が生まれるのです。
そして、その信頼は売り込まなくても売れる営業をつくります。
あとは、製品知識や提案力を磨くだけです。
実際の営業現場でも… 誠実&共感が効いた成功事例
事例:クレーム対応から紹介獲得につながったケース
ある営業マンが、納品ミスで顧客からクレームを受けた。
即日謝罪に駆けつけ、状況を丁寧に聞き取り、関係者全員に真摯に対応。
最終的に、顧客の信頼はより深まり、
「君なら他の部署にも紹介したい」と別案件につながった。
- 「ごまかさない」「相手の立場で考える」=誠実力&共感力の合わせ技。
今から実践できる「信頼される営業」の習慣づくり
- 毎朝、「昨日交わした約束」をメモで見返す
- 顧客との会話中に「正しい答え」よりも「気持ちの理解」に集中する
- 商談後、「この一言、どう受け取られただろう?」と振り返る
- 顧客との約束をタスク管理して漏れないようにする
こうした小さな習慣が、誠実さと共感力を育て、
あなたの営業としての魅力=人間力となっていきます。
まとめ:「売る」より「信じてもらう」を大切に
営業において最も強い武器は、商品知識でもプレゼン技術でもなく、
「この人は信じられる」という評価です。
そしてその信頼をつくるのが、
誠実力=ブレない態度 と
共感力=相手に寄り添う姿勢。
この2つを育てることが、あなた自身を「信頼される営業」へと成長させてくれます。
結果的に、売上も、リピートも、紹介も、自然とついてくるようになります。
明日の商談から、「誠実に」「共感を持って」向き合ってみてください。
きっと、顧客の反応が少しずつ変わってくるはずです。
あなたの営業スタイルを変える「誠実力」と「共感力」
ぜひ人間力を上げていきましょう。