「お願いしていないのに、なぜか協力してくれる営業」
- 社内のキーマンを紹介してくれる
- 会議に同席してくれる
- 意思決定の裏側を教えてくれる
特別お願いしたわけでもないのに、
経営者や役職者が自然と動いてくれる営業がいます。
一方で、
丁寧に頭を下げ、
時間をもらい、
「ご協力いただけませんか?」と頼んでも、
返事は曖昧なまま。
この差は、
人柄や熱意の違いではありません。
違いを生んでいるのは、
「質問の置き方」です。
格上の人は「お願い」されると距離を取る
まず知っておきたい前提があります。
経営者や役職者は、
日常的に「お願い」される立場です。
- 判断してください
- 協力してください
- 確認してください
そのため、
「お願い」という言葉を聞いた瞬間、
頭の中では無意識にこう切り替わります。
「引き受けるか、断るか」
この状態に入ると、
人は慎重になります。
- 責任はどこまでか
- 時間はどれくらい取られるか
- 今やる必要があるのか
結果、
やらない理由が先に浮かぶ。
だから、
お願いすればするほど、動かなくなる
という逆転現象が起きます。
協力される営業は「お願い」をしていない
では、
協力される営業は何をしているのか。
答えはシンプルです。
お願いをする前に、考えさせている。
しかも、
ゼロから考えさせるのではありません。
「つい口を出したくなる状態」
をつくっています。
誰もが自分の得意分野について質問されると、
嬉しくなり話したくなってしまうものです。
格上の人の話したくなるスイッチを入れましょう。
人は「問い」に巻き込まれると当事者になる
ここが重要なポイントです。
人は、
お願いされたことには責任を感じますが、
自分の意見を言ったことには当事者意識を持ちます。
- 「どう思いますか?」
- 「ご意見ください」
これでは弱い。
格上の人が反応するのは、
答えたくなる問いです。
格上の人がつい口を出す3つの質問タイプ
ここから具体的に見ていきましょう。
協力が自然に引き出される質問には、型があります。
① 違和感を差し出す質問
例)
「この進め方、表向きは問題なさそうなんですが、
実はここにズレが出そうだと感じていて…どう思われますか?」
ポイントは、
自分なりの違和感を先に置くこと。
何もないところに
「どう思いますか?」と投げると、
相手は考える負荷が大きくなります。
でも、
・ここが引っかかっている
・ここが気になっている
と示された瞬間、
相手は修正役に回れます。
「いや、そこはこうだと思うよ」
この一言が出たら、
もう協力関係の入口です。
② 選択肢を並べる質問
例)
「進め方としては、
A:スピード重視
B:リスク最小
の2つがあると思っています。
◯◯さんなら、どちらを外しますか?」
ここで重要なのは、
「どちらが正解ですか?」と聞かないこと。
格上の人は、
正解を決めさせられるのを嫌います。
一方で、
「どちらを外すか」
「どちらが危ないか」
には反応しやすい。
なぜなら、
判断の負荷が一気に下がるからです。
③ 他社・他業界視点を入れた質問
例)
「同じようなケースを他業界で見ると、
ここで止まるパターンが多いんですが、
この業界だとどう見えますか?」
これは、
格上の人の経験値を尊重する質問です。
・自分の知見が活きる
・意見を言う価値がある
そう感じた瞬間、
相手は話し始めます。
このように重要なのは、格上の人がつい話したくなってしまう環境を作ることです。
相手が喜ぶような質問から、ついスイッチが入ってしまう状況を作りましょう。
NGな質問に共通する落とし穴
逆に、
協力が引き出せない質問には共通点があります。
- 丸投げ
- 抽象的
- 前提が共有されていない
例)
「どう思いますか?」
「何かアドバイスありますか?」
これらは一見、
相手を立てているようで、
実は考える負担を押し付けている質問です。
格上の人ほど、
ここでブレーキを踏みます。
協力される質問は「答えやすさ」で設計されている
質問設計で大切なのは、
深さより答えやすさ。
協力される営業は、
必ずこの順番で質問を作っています。
- 自分の整理を出す
- 違和感や仮説を添える
- 相手は修正・補足するだけ
だから相手は、
考え込まなくていい。
「そこは違うな」
「いや、その見方で合ってる」
このやり取り自体が、
協力の始まりです。
質問は「情報収集」ではなく「関係構築」
多くの営業は、
質問=情報を取るもの
と思っています。
でも、
格上の人との会話での質問は、
情報収集ではありません。
目的は、
「一緒に考え始めてもらうこと」。
質問を通じて、
相手の頭の中に
この案件に関わっている自分
をつくる。
これができた瞬間、
お願いしなくても、
相手は自然と動き始めます。
まとめ 「お願い」は最後でいい
最後に、
この記事のポイントを整理します。
- 格上の人は「お願い」されると判断モードに入る
- 判断モードに入ると、動かなくなる
- 協力される営業は、お願いの前に「問い」で巻き込む
- 口を出したくなる質問には型がある
- 質問の目的は、情報ではなく当事者意識
もし、
「お願いしても動いてもらえない」
と感じているなら、
お願いの仕方を変えるのではなく、
お願いが不要になる質問を先に置いてみてください。

