「感じはいいのに、なぜか距離を置かれる営業」
「話はちゃんと聞いてくれる」
「否定もされていない」
「でも、そこから一歩も前に進まない」
経営者や役職者など、いわゆる格上の人を相手にした営業で、
こんな経験はないでしょうか。
・こちらの説明を静かに聞いてくれる
・質問には答えてくれる
・しかし、その後は動いてくれない
・紹介も、社内調整も、協力もしてもらえない
営業側としては
「失礼なことは言っていない」
「ちゃんと準備もした」
それなのに、なぜか壁を感じる。
実はこれ、営業スキルや人柄の問題ではありません。
多くの場合、営業本人がまったく自覚していない立ち位置のズレが原因です。
格上の人は「忙しい」から協力しないわけではない
よくある勘違いがあります。
「経営者は忙しいから…」
「役職者は判断が慎重だから…」
もちろん忙しいのは事実です。
ですが、それが協力してくれない本当の理由ではありません。
なぜなら同じ経営者でも、
- ある営業には時間を割き
- ある営業には最低限の対応しかしない
この差が、はっきり存在するからです。
つまり問題は「時間」ではなく、
その営業と関わる意味を感じられているかどうか。
格上の人ほど、
「この人と関わることで、何が変わるのか?」
を無意識に見ています。
多くの営業が無意識にやっている3つのNG行動
ここからが本題です。
格上の人が距離を取る営業に共通する、無自覚なNG行動を見ていきましょう。
NG①「教えてもらう前提」で話してしまう
一見、丁寧で謙虚に見えるこのスタンス。
- 「ぜひご意見をいただければと…」
- 「勉強させていただきたくて…」
- 「◯◯について、教えていただけますか?」
実はこれ、格上の人ほど警戒します。
なぜならこの瞬間、相手の頭の中ではこう変換されるからです。
「この人は、答えを持っていない」
「判断をこちらに投げてくるつもりだ」
経営者や役職者は、
日常的に判断を求められる立場にいます。
そこにさらに
「どう思いますか?」
「教えてください」
と来ると、無意識にこう感じます。
「また判断役か」
「関わると責任が増えそうだ」
結果、距離を取る。
営業側は丁寧なつもりでも、
相手から見ると「負荷が増える存在」になってしまうのです。
NG②「とりあえず提案」から入ってしまう
次に多いのがこれです。
- 商品説明
- サービス紹介
- 提案資料の共有
もちろん営業なので、提案は必要です。
ですが、格上の人ほど提案の前提を見ています。
よくあるのが、
「結論は分かった。
でも、なぜこの話を今自分にしているんだ?」
という状態。
相手にとっての
- 背景整理
- 前提条件
- 選択肢の全体像
これを飛ばしていきなり提案すると、
「判断材料が足りない話」になります。
格上の人は、
説明不足な話に時間を使うほど暇ではありません。
結果として
「悪くないけど、今じゃない」
「また機会があれば」
で終わってしまうのです。
NG③「協力してください」と言ってしまう
これは一番やってはいけないNGです。
- 「ぜひご協力いただけると…」
- 「お力添えをお願いできれば…」
一見、普通のお願い。
しかし、この言葉を出した瞬間に、
主導権は完全に相手に渡ります。
格上の人からすると、
「協力する理由は?」
「それ、私がやる意味ある?」
という判断フェーズに一気に入ります。
そして多くの場合、
今やらなくていい理由の方が先に見つかる。
結果、
- 検討
- 保留
- 様子見
という、動かない状態が続きます。
格上の人が営業に協力する瞬間とは?
では逆に、
格上の人が「この営業には関わろう」と思うのは、どんなときか。
それはシンプルです。
「自分が考えなくても、整理されている」と感じたとき。
- 状況が整理されている
- 論点がはっきりしている
- 選択肢が見えている
この状態を作ってくれる営業に対して、
格上の人は楽を感じます。
そして人は、
シンプルにしてくれる相手と、協力したくなる。
これは立場や役職に関係ありません。
協力される営業は「判断を頼まない」
協力される営業は、
「どう思いますか?」とは聞きません。
代わりに、こんな投げ方をします。
- 「現状を整理すると、こうなります」
- 「選択肢はこの3つです」
- 「リスクが一番少ないのはここだと考えています」
そのうえで、
「この整理でズレている点はありますか?」
と聞く。
すると相手は、
判断者ではなく確認者の立場になります。
この瞬間、関係性が変わります。
格上の人ほど「対等な思考パートナー」を求めている
多くの営業が勘違いしていますが、
経営者や役職者は「持ち上げてくる人」を求めていません。
求めているのは、
- 話が早い人
- 全体を見てくれる人
- 余計な説明を省いてくれる人
つまり、
思考の負荷を減らしてくれる存在です。
そこに上下関係はありません。
協力されない原因は実力ではない
最後に、今日のポイントをまとめます。
- 格上の人が協力しない理由は「忙しさ」ではない
- 無意識のうちに
- 教えてもらう立場
- 判断を押し付ける立場
- お願いする立場
になっていると距離を取られる
- 協力される営業は
「判断を頼まず、整理を差し出す」 - 上下ではなく
思考の役割で対等な関係を作っている
もし、
「なぜか格上の人ほど動いてくれない」
と感じているなら、
それは能力不足ではありません。
関わり方を、ほんの少し変えるだけでいい。
ぜひ、このコツを活かして協力者を集めましょう。

