営業に必要なのは「型」だけじゃない?
営業と聞くと、「トークスクリプト」「心理テクニック」「ロジックで攻める」といった型を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。もちろん、営業において基本的な型やノウハウは必要不可欠です。
しかし、現場では「同じ型を使っても成果に差が出る」ことがよくあります。
なぜでしょうか?
その答えは、「自分らしさを活かしているかどうか」です。
営業成績が安定して高い人ほど、自分の個性や強みを理解し、自然体で顧客と向き合っています。
本記事では、「自分らしさ」を武器にして営業で成果を上げる方法を、実践的な観点から解説します。
なぜ自分らしさが営業成果に直結するのか?
現代の営業において最も重要な要素のひとつは「信頼」です。
顧客は商品や価格だけでなく、「この人から買いたい」と思えるかどうかで意思決定をしています。
この「この人から買いたい」と思ってもらうには、作られた営業トークや型にはまった対応では足りません。
その人らしさ=本音・誠実さ・親しみやすさが伝わることで、顧客との距離が縮まり、信頼が育まれるのです。
つまり、自分らしさを前面に出して「自然体で誠実に接する」ことが、営業成果を伸ばす土台となります。
成果を出す営業マンに共通する「自分らしさ」の使い方3選
では、成果を出す営業マンはどのように自分らしさを活かしているのでしょうか?
ここでは、実際の現場でも通用する3つの使い方をご紹介します。
1. 自分の強み・得意を明確にし、それを前面に出す
たとえば…
- 会話が得意 → 雑談から距離を縮める
- 情報収集が得意 → 顧客の業界動向を先回りして提供
- 丁寧な対応が得意 → きめ細やかなフォローアップで差別化
一番避けたいのは、他人の営業スタイルを無理に真似して疲弊すること。
「自分はどこで価値を発揮できるか」を知り、それを武器として活かすのが成功の鍵です。
優しいタイプの人がオラオラの営業をしても、なかなかうまくいきませんよね?
参考にするのなら、あなたとタイプが似ていて、結果を出している人にしましょう。
2. 無理に飾らず「正直」でいること
顧客は営業マンの違和感を敏感に感じ取ります。
知識が足りない分野をごまかしたり、強引なクロージングを仕掛けたりすると、信頼は一気に失われます。
逆に、「それはまだ勉強中ですが、責任を持って調べます」と素直に言える営業マンの方が好印象です。
正直さ・誠実さ・人間味こそが自分らしさの真髄です。
3. 感情を乗せて話す(熱量や本音)
スクリプト通りの説明よりも、「本当にこれがいいと思っている」「心から役に立ちたい」といった感情が伝わるほうが、顧客の心を動かします。
営業とは、商品ではなく想いを届ける仕事でもあるのです。
感情を言葉に乗せることで、「あなた自身」が伝わり、関係性が深まります。
人が動くときは、心が揺さぶられたときです。
知識で動くのではなく、これが欲しい、この人からなら買いたいと心が揺れたとき。
つまり、思いを乗せて提案をすることが重要なのです。
実際に「自分らしさ」で成果を出した営業の事例
30代のIT営業Aさんは、もともと人見知りで、派手なプレゼンやクロージングが苦手でした。
その代わり、細かいヒアリングと誠実な対応を徹底。顧客から「話しやすい」「本音を言いやすい」と信頼され、次第に紹介案件が増加。大手企業の大型案件も任されるように。
結果、周囲が派手に数字を競う中で、安定して継続受注を積み上げ、トップセールスに。
Aさんが語った言葉
「自分は派手に売る営業ではなく、静かに寄り添う営業でいいと気づけた瞬間、すごく楽になりました」
自分の得意な部分で、丁寧に対応を重ねることで結果を出した一例です。
「自分らしさ」を活かすために、今日からできる実践ステップ
ステップ1:自分の「営業の強み」を棚卸しする
以下の質問に答えてみてください:
- 商談後によく言われる言葉は?(例:「話しやすいですね」「丁寧ですね」)
- 他の営業よりも自然にできていることは?
- どんな顧客と相性がいいと感じる?
これらの答えが、あなたの自分らしさのヒントになります。
ステップ2:自然体で話せるように台本を「自分の言葉」で書き直す
テンプレ通りの営業トークをそのまま使うのではなく、自分の口癖やリズムに書き換えてみましょう。
それだけで、自然なトーンで伝えられ、相手も安心感を持ちます。
テンプレをそのまま伝えると、自分から出た言葉ではないためあなたらしさが伝わりません。
言い換えや自分らしさを追加して話しましょう。
ステップ3:他人と比べるのをやめる
他人の営業スタイルに憧れることは悪くありませんが、比較して自分を否定する必要はありません。
自分のやり方に手応えを感じながら、地道に改善していくことが、結果的に最強のスタイルになります。
人それぞれ得意な分野は異なります。
あなたはあなたの得意な部分を圧倒的に伸ばすことで、他の人では真似できない営業スタイルを構築しましょう。
まとめ:「自分らしさ」こそ、あなただけの営業スキル
営業はテクニックだけで勝負する時代ではありません。
むしろ、「人として信頼できるか」という人間力が、最終的な成果に大きく影響します。
そのための第一歩が、「自分らしさを活かす」こと。
あなたの個性・価値観・信念が、最大の武器になります。
今日からは、誰かの真似をやめて、「自分だけのスタイル」を営業の現場で磨いていきましょう。