はじめに
営業の成果は、クロージングの成否で大きく左右されます。
しかし、クロージングの直後に「うまくいった」「ダメだった」で終わってしまい、振り返りをしない営業マンも多いのが実情です。
一方、トップ営業は毎回のクロージングを振り返り、細かく分析・改善を繰り返すことで、着実に成果を積み上げています。
本記事では、クロージングの振り返りがなぜ重要なのかを解説し、実際にトップ営業が実践している具体的な振り返り術をご紹介します。
クロージング振り返りの重要性
なぜ振り返りが必要か?
クロージングは単なる「最後の一押し」ではなく、顧客の心理を動かす繊細なプロセスです。
しかし、成功も失敗も「感覚」に頼りがちで、原因を分析しないままだと、同じミスや課題を繰り返すことになりかねません。
振り返りをすることで、
- 何が成功要因だったか
- どこに改善の余地があるか
- どうすればもっとお客様が喜んでくれる提案ができるか
を客観的に把握し、次回以降の営業の質を高めることが可能です。
成功体験も言語化し自信に
振り返りは失敗だけでなく、成功体験を言語化する機会でもあります。
「どの話し方が響いたか」「どのタイミングで顧客が動いたか」を整理することで、再現性の高い営業スキルとなり、自信にもつながります。
顧客の状況や性格によって、伝わる言葉や表現は異なります。
しかし、振り返りを行うことによって、こういうタイプの人はこう伝えると良いなどの統計も見えてくるでしょう。
トップ営業が実践する具体的振り返り術
クロージング直後にメモを残す
クロージングが終わったら、できるだけ早く顧客の反応や自分の感触を記録しましょう。
時間が経つと細かい感覚や気づきが薄れてしまうため、即時の記録が肝心です。
メモに書くべきポイント
- 顧客の表情や態度の変化
- 反応が鈍かった質問やトーク
- 自分がうまく伝えられなかった点
- 成功したと感じた言葉やタイミング
- 顧客が良い反応をしたときのトークや自身の伝え方
顧客の立場に立って振り返る
次に、自分視点だけでなく「顧客がどう感じたか?」を想像して振り返ります。
- 顧客の不安は解消されたか?
- 疑問や懸念が残っていなかったか?
- クロージングの言葉は押し付けがましくなかったか?
- 最後に顧客は笑顔で満足していたか?
顧客心理に寄り添う視点が改善策の発見に役立ちます。
同僚や上司に相談する
自分ひとりの振り返りだけでなく、チームの先輩やマネージャーに共有しフィードバックをもらうのも効果的です。
客観的な意見を取り入れることで、自分では気づけなかった課題や改善点が見えてきます。
というのも、人には当事者IQ0理論(詳しくはリンクの記事を参照)がありますので、第三者の客観的な意見を聞くのはとても重要です。
改善策を具体的に計画する
振り返りの最後は、「次回どうするか?」を明確にしましょう。
- どの部分を改善するか?
- 具体的にどう話し方を変えるか?
- 新たに用意すべき資料や準備は?
この計画を次のクロージングに必ず活かすことが重要です。
このインプットアウトプットの繰り返しが、あなたを最強の営業にしてくれるのです。
しっかりとブラッシュアップして、顧客の喜ぶ提案ができる営業に成長しましょう。
振り返りで押さえたいチェックポイント
以下は振り返り時にチェックしておきたい重要ポイントです。
- クロージングのタイミングは適切だったか?
- 顧客の反応はどうだったか?
- 顧客の疑問や懸念にしっかり応えられたか?
- 自分の話し方や言葉遣いは自然だったか?
- クロージングの言葉は押し付けがましくなかったか?
- 何が成功の決め手になったか?
- 改善できる部分はどこか?
- 自分は顧客が安心できる空気感を作れていたか?
振り返りを継続するコツ
振り返り用テンプレートを用意する
短時間で振り返りができるよう、質問項目やチェックリストをまとめたテンプレートを用意しましょう。
スマホやPCで簡単に記録できるフォーマットがおすすめです。
振り返りの時間を必ず確保する
忙しい中でも「クロージング直後5分」「1日の終わりにまとめて10分」など時間を決めて振り返る習慣をつけることが大切です。
チームで共有し学び合う
チーム内で振り返り内容を共有する場を設け、成功例や改善例を共有することで、お互いの成長を促進できます。
ある結果が出ている営業チームでは、毎日日報をつけて、上司がフィードバックを行っています。
起きた現象に対してすぐブラッシュアップのタイミングを作ることで、成長が早くなるのです。
まとめ
クロージングの結果を成功も失敗も「感覚」だけで終わらせず、振り返りによって見える化し改善を積み重ねることがトップ営業とその他の営業の大きな違いです。
今日からクロージングの振り返りを習慣化し、あなたの営業力を飛躍的に向上させましょう。