相談される営業になるために─ 顧客の外部ブレーンとして頼られる存在を目指す

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目次

はじめに

営業の仕事は単にモノやサービスを売ることだけではありません。真に価値ある営業は、顧客から「困ったときに相談できる存在」として信頼され、パートナーシップを築くことにあります。

特に変化の激しい現代ビジネスにおいては、顧客の課題も多様化・複雑化しているため、単なる提案者ではなく、顧客の外部ブレーンとして専門的かつ幅広い知見を提供できる営業が求められています。

本記事では、「相談される営業」になるための具体的な考え方とスキル、そして実践のポイントを解説します。

相談される営業とは何か?

ただの売り手ではなくパートナーであること

営業マンの役割が「売る」から「共に課題解決するパートナー」へとシフトしています。

顧客にとっての外部ブレーンとは、専門知識や経験を持ち、顧客のビジネスや課題を深く理解した上で的確なアドバイスをくれる存在です。
顧客からすると、ただ購入するだけであれば、インターネットで調べて購入するほうが手間もかからず、煩わしくないのです。
それでも、営業の話を聞いて、購入する理由。
それが、自分より詳しい方から安心して買いたいからなのです。

相談される営業のメリット

  • 顧客との信頼関係が強化される
     継続的な関係構築がしやすくなる。
  • リピートや紹介の機会が増える
     深い信頼が新規案件や紹介につながる。
  • 提案の質が向上し成約率アップ
     顧客の本質的ニーズを理解した上での提案が可能に。

顧客から相談される営業になるための心構え

顧客視点に立つ

顧客から信頼される営業になるには、「売る」ことよりも「顧客の立場で考える」姿勢が重要です。
顧客の課題や背景、立場のプレッシャーに寄り添い、「自分がその立場ならどう判断するか」を常に考えること。
商品を売り込むのではなく、顧客の利益を最優先する思考が、「この人なら相談できる」と感じてもらえる原点になります。
気を付けてほしいのは「顧客のことを思っている風」になっていないかです。
顧客は「本当に顧客を思っている営業」か、「思っている風」にしている営業かわかっています。
真摯に顧客を思って対応しましょう。

常に学び続ける姿勢

営業は、商品知識だけでなく、業界トレンド、競合動向、ビジネスモデルなど幅広い知見が求められる仕事です。
顧客の変化に気づき、先回りして提案できる営業は、学びを止めない人。
日々情報をアップデートし、「話すたびに新しい発見がある営業」として認識されれば、自然と相談が集まります。
会うたびにいい情報を与えることのできるパートナー営業になりましょう。

謙虚かつ誠実な態度

どんなに実績があっても、横柄な態度や過剰な自信は信頼を遠ざけます。
顧客は、自分のことを真剣に考えてくれる“味方”に心を開きます。
「知らないことは素直に認める」「間違いはすぐに正す」「感謝を忘れない」といった誠実な姿勢が、安心感を生み出し、継続的な相談につながる土台になります。

具体的なスキルと行動

傾聴力を磨く

相談される営業は、まず「しっかり聞いてくれる人」として信頼されています。
相手の話を遮らず、表情や態度で関心を示しながら聞くこと。
言葉の裏にある感情や意図にも意識を向け、「なるほど」「それは大変ですね」と共感を示すことで、顧客は安心して本音を話せるようになります。
傾聴は、信頼構築の最初のステップです。
詳しくは「相手の心を動かす“聴く力”が信頼を生む!アクティブリスニングとは?」で詳しく説明していますので、参考にしてください。

質問力で深掘りする

表面的なニーズだけで終わらず、課題の背景や本質を探るためには「質問力」が不可欠です。
「なぜそう思われたのですか?」「本当は何に困っていらっしゃるのですか?」といった深掘り質問で、顧客自身も気づいていない真の課題にたどり着けます。
的確な質問を重ねることで、「この人と話すと整理ができる」と信頼が高まります。
表面的な顧客の言動ではなく、なぜ顧客がこの言葉を言っているのかの「本質」を意識しましょう。

問題解決型の提案

商品説明や機能の押し売りではなく、顧客の課題解決に焦点を当てた提案が求められます。
「この提案でどう変わるか?」「今の困りごとがどう軽減されるか?」を具体的に示すことで、納得感と行動意欲を引き出せます。
顧客は「提案してくれる営業」ではなく、「解決してくれる営業」に相談したくなるのです。

社内外のリソース活用

一人で抱え込まず、社内の専門部署や外部パートナーと連携できる営業は頼られます。
「それは○○担当に確認してみます」「この事例、同業の△△社でも活用されましたよ」と、自分の枠を超えて解決策を持ち込む姿勢が、顧客の信頼を獲得します。
情報・人脈・ナレッジを柔軟に活用できるかどうかが、営業力の差になります。
顧客ファーストで考えた時に、他社を紹介するのも選択肢としてはありです。
短期的にメリットはなくても、長期的にみると顧客からの信頼を得ることができるので、大きくメリットがあります。

相談される営業になるための実践的なアプローチ

定期的なコミュニケーション

商談の有無に関わらず、定期的に連絡を取ることが信頼の積み重ねにつながります。
たとえば、「近況確認」「業界情報の共有」「お役立ち資料の紹介」など、相手にとって負担にならない形で継続的な接点を持つこと。
顔を思い出してもらえる関係性があれば、いざという時に相談が自然と舞い込むようになります。
提案するものはないけど、会いにいく」これもタイミングを図る必要はありますが重要です。

ニーズの変化に敏感になる

顧客の状況や課題は常に変化しています。過去の情報だけに頼らず、経済動向や業界トレンド、社内体制の変化などにもアンテナを張り、「今どんな課題を抱えていそうか?」を想像しながら接することが大切です。
小さな変化に気づける営業は、「気が利く」「よく見てくれている」と評価され、相談される存在になります。
小さな変化に気づくためにも、定期的に顧客と話す機会を設けましょう。

価値提供の積み重ね

売上に直結しない場面でも、顧客にとって有益な情報や事例を提供し続けることが、「この人には相談する価値がある」という評価を育てます。
たとえば、最新の法改正情報や業界成功事例など、相手にとってプラスになる情報を惜しまず提供する
小さな価値の積み重ねが、やがて大きな信頼に変わります。

相談される営業になることで得られる長期的な成果

  • 顧客満足度・信頼度の向上
  • 競合他社との差別化
  • 安定的な受注や継続契約の獲得
  • 自身の営業力・市場価値の向上

まとめ

「相談される営業」になることは一朝一夕では叶いませんが、顧客視点を徹底し、謙虚に学び続け、問題解決力を磨き続けることで必ず実現できます。

顧客の外部ブレーンとして、単なる売り手を超えたパートナー関係を築きましょう。

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